今回からは大枚はたいてスクラップ同然の状態からFrancisco Albaにものの見事に復元してもらった1895年のJuan Moya(フアン・モージャ)のくるみ製ギターの音についてコルムナしてみます。
まず、三味線と同じ差込栓の摩擦で止めての調弦ですから、さすがにこれは苦労します。少し経験のある読者ならお分かりですが、金属性糸巻きでも③弦は非常に敏感で調弦は苦労させられます。ましてや差込栓です。
筆者は他のギターで経験済みとは言え、初めての差込栓なら誰でも面食らうことでしょう。それでも何とか調弦を終えていざ弾いてみると、どうもピリッとしません。正直これが第一印象でした。
超軽量超薄型ボディ。どう見ても音が出そうな気がしません。しかも、生前親友のアントニオ・デ・トーレスのひ孫の故フアン・フランシスコ・ヒメネス氏がこれは当時の安物だと鑑定済みでもあり、ま、こんなもんかな、とそのまま大して弾かずに放っておきました。
再度手にしたのはその2、3週間後だったでしょうか。かなり調弦が狂っていました。弦を張ったばかりなら音はすぐには安定せず、その間ギターはどんな名器も鳴らないものだと言うことも筆者は経験上知ってはいました。ですから、このギターも弦が安定して来ればもっと鳴ることも十分予想出来ました。しかし、元々軽量薄型の安物と言う固定概念がありましたので、余り期待していなかったのが正直なところです。ですからやっと2、3週間後、無理矢理思い出して半ば義務感で弾いてみた訳です。
ところが・・・。別人の如く見違えリました。
2012-11-27
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