2013-02-26

560 スペイン・スキー界に新星 26-02-2013(火)

 以前何度かコルムナに登場してもらった、地元グラナダ出身のアルペンスキー、リエンダ選手(コルムナ203&204)。ウインタースポーツはパッとしないスペインですが、グラナダは裏山がシエラ・ネバーダ山脈ですから、それでもスキーヤーが出易い土壌かも知れません。
 リエンダ選手は引退しましたが(同412)、これは先日同じくグラナダ出身のCarolina Ruiz(カロリーナ・ルイス)選手がフランスのMeribelで行われた国際大会の女子滑降で優勝した記事です。写真の真ん中がリエンダ選手で両側がカロリーナ選手の両親。優勝した肝心のカロリーナ選手の写真がないスペイン丸出しの新聞記事なのです。
 そこで仕方なくYouTubeで拾って来ました。


 自分の畑を耕す者は食糧に飽き足り、虚しい物を追い求める者は貧しさに飽きる。-----或る昔の偉い人

 筆者は余り興味はありませんが、気を抜いてコケたら一生半身不随の命がけのスポーツだと言うことは良く分かります。
 どの業界もいつかは世代交代です。頑張って欲しいですね。

543 ギターは目と耳で真似して普段着モード 26-02-2013(火)

 外人さんから箸の使い方を教えてくれと頼まれたら読者はどうするでしょう? そんなこと言われたって分からんですよね? 小さい頃から使ってるんですからね。
 それでは、外人さんからフラメンコギターを教えてくれと頼まれたら、スペイン人ギタリストはどうするでしょう? 例えばこのところ引用させてもらっているこのギタリスト、メルチョール・デ・コルドバに限らずこうなります。


 先生がギターを弾いて、真似しなさい!?
 と言われたら、読者はどうしますか? 免疫のない読者なら面食らうでしょうね。筆者もマヌエル・カーノ先生とのレッスンもそうでした。
 しかし、楽譜を使わず目と耳で真似するのが自然体です。
 楽譜は自然ではありませんが、目と耳は自然なのです。
 目と耳、特に耳を頼りに間違いながら弦を押さえて爪弾く・・・。そうすると音と指が繋がって来る・・・。この方が楽譜を見ながら弾くより遥かに自然体なのです。こちらのフラメンコギタリストを見ているとそう感じざるを得ません。

2013-02-19

559 スペインで情熱の免許失効 19-02-2013(火)

 ちょっと前の新聞記事ですが、54591人が既に免許切れ
 筆者の住むグラナダ市は南スペイン・グラナダ県の県庁所在地グラナダ市。通常マスコミで単にGranadaと言う時にはグラナダ市ではなく、グラナダ県全体を意味します。全国50県の県名と県庁所在地都市の名前が総て一致するスペインならではの表記かも知れません。 
 そのグラナダ県全体の人口は幼児から老人まで約923000人。その内の何人が運転するかは知りませんが、その内の54591人が既に免許切れ!?
 545人ではなく、その百倍と言うのがゆかしいスペイン丸出し。車検切れ5台に2台も決して伊達ではありません。

 気違いは燃え木を死の矢として投げるが、隣人を欺きながら“ただ、戯れただけではないか”と言う者もそれと同じだ。-----或る昔の偉い人

 もちろん、これら54591人が車を運転するのを止めたとはとても思えない情熱のスペインです。
 何故ならば日本語情報センター横にBibramblas広場があります。ここに2★のホテルが一軒ともう一軒。その他闇アパートが7軒。と知り合いの2★のオーナーがこの前日本語情報センターに遊びに来て言っていました。当局に訴えに行きましたが、一切何もしない当局であった。これもまた楽しからずや。人生そりゃあ戯れれば楽しい、一事が万事なスペインの運転免許証でした。

542 ギターは指を忘れた普段着モード 19-02-2013(火)

 要するに普段着感覚ほど強いものはなく、普段着感覚こそ楽器上達の秘訣と言えます。
 しかし、幼少期にギターに出会わなかった我々は一体どうすれば普段着感覚を養えるのでしょうか? 


 この問題の難しいところは、何かを努力の末に達成するにはどうしたらいいのかではなく、説明し様のない普段着感覚をどうすれば養えるのかにあります。
 何とか理論ではなく、普段着感覚・・・。確かに説明するのは却って難しい・・・と頭を悩ませることが既に普段着感覚ではありません。
 逆に何も考えず、まず弾こうとする曲を何度も聴いて、好きになることです。ところで、指が曲を好きになるでしょうか?
 ギターは指で弾くと言う、当り前な様で的外れな発想をやめて、まずはその曲想モードになることです。頭のモードほどに指も体も動きます。気持ちが仕事モードにはいってなければ体は動きません。いくら指を鍛えても、アイデアが浮かばないのに小説家のペンは走りません。
 まず、気持ちを指モードではなく、曲想モードにすることから始めれば、指を忘れた普段着モードに近づきそうです。指ではなく気持ちがです。

2013-02-12

558 スペインで懐かしい中国 12-02-2013(火) 

 先週中国の広州の日本企業に勤める日本人と奥さんの旅行者二人がやって来ました。
 中国人は嘘吐きで、自分の間違いは絶対認めないし、絶対謝らないし・・・。スペイン人と同じじゃないですか? いえいえ、スペイン人の方が愛想がありますよ・・・。
 そんな愛想のあるグラナダ市内のお土産屋を徘徊してみれば、中国で見た懐かしい同じお土産がわんさかあるそうです。当然Made in Chinaとは表示がない訳ですし、むしろ、Recuerdos de Granada(グラナダの想い出)と書いてある訳ですが、全く物が同じで、間違いなく中国製だそうです。
 Made in Chinaの表示はなくてスペイン製に見えるけど中国製・・・。中国製スペインギターやフラメンコの衣装やスペイン有名靴メーカーCamperの靴と同じじゃないですか?

 自分の畑を耕す者は食糧に飽き足り、虚しい物を追い求める者は貧しさに飽きる。-----或る昔の偉い人

 しかし、中国人もここまでやれば良くも悪くもあっぱれかも知れません。ケニアで売っている傘まで中国製と聞いたことがあります。スペインの地方の土産屋まで中国製で満たすのですから確かにあっぱれです。
 しかし、本当にあっぱれかどうかは良くも悪くも食料に飽き足りるか、貧しさに飽き足りるかによって決まるのであれば、どこの国の何人でも貧しさに飽き足りてからでは遅過ぎるんじゃないでしょうかね?

541 ギターを手にして違和感なし 12-02-2013(火)

 家にギターがなく、練習時間ほぼゼロのこの筆者の知り合いのフラメンコギタリストが何故こんなにまで弾けるのか考えています。


 なるほど、日本人なら10年海外生活で一度も箸を使わなかったとしても、帰国してすぐに何の不安もなく箸で食べます。
 星飛雄馬が幼少期から親父の一徹におもちゃ代わりに持たされたボールみたいなもので、やはり、このギタリストも他のジプシーのギタリスト同様ギターを手にしたのは随分早かった様です。確かに楽器を始めるに早いに越したことはないのは百理あります。
 昔日本かスペインか忘れましたが、赤ん坊をプールに浸けて母親が出を放すと勝手に泳ぐと言うのを見たことがありますが、確かにこうすれば泳ぐことが何か特別なことではなく、普段着感覚になるでしょうね。
 この何か始めるに当り、全く違和感を感じない普段着感覚。これこそ楽器の基礎かも知れません。
 しかし、遅い時期に楽器を手にした我々はそうは行きません。それでも、何とかこのギターを弾くに当り違和感なしの普段着感覚を養えないものでしょうか?
 このギタリストはギターを弾く前に、まず幼少期にフラメンコを踊っていたそうです。

2013-02-05

557 やりゃあ出来るじゃないか!! Granada CF 1 VS Real Madrid 0 05-02-2013(火)

 昨日金曜日、いつもの様にフラメンコの送りの仕事で近くの大通りまで行ったら交通規制。また緊縮増税反対デモかと思ったら、何とReal Madridの選手を乗せたバスがゆっくり通過。サッカーに無関心な筆者はそこで初めて翌日土曜日地元グラナダ市サッカースタジアムでGranada CF対Real Madridの試合があることを知りました。
 賭け率は~と言っても筆者は分かりませんが、どうせ何対何でGranada CFが負けるかだったでしょう。地元のファンさえ頭から勝てるとは思っていなかったはずですから、こうでもしなければ賭けも成立しません。
 ところが、試合中一本もシュートを放たなかったGranada CFがReal Madridの主砲(これは野球か?)ポルトガル人のC.ロナルドの自軍ゴール前のディフェンスでヘッディングでボールを反らしたつもりが自軍ゴールで1-0!? 39年ぶりの勝利だそうです。

 実は先週前監督が成績不振で辞めさせられ、新監督のデビュー戦でもあったこの試合。万年降格ゾーンチームもやりゃあ出来ることを満天下に示した相手の自軍ゴールでした。

 自分のことだけではなく、他の人のことも顧みなさい。-----或る昔の偉い人

 他の人を顧みた訳ではない自軍ゴールかな。
 それでも下から3チームが降格するリーグ戦で下から5位。この試合で勝ったけど、それでも下から3位のチームとのポイント差は3点。次の試合で勝って負ければまたレッドゾーン。しかも次の相手は畏れ多くも賢くもBarcelona FC。今度こそ当って砕ける賭けになりそうな情熱のスペイン。

540 箸の様にギターの様に 05-02-2013(火)

 家にギターがなく、練習時間ほぼゼロのこの筆者の知り合いのフラメンコギタリストMelchor de Cordobaが何故こんなにまで弾けるのか考えています。



     ま、ある意味スペインギター週間コルムナのテーマにふさわしい人選と言えます。筆者の目指すところもまた、現代人は勉強に仕事に時間がないのだから、如何になるべくギターを弾かずにギター上達するかをその目的としているからです。初期~中期のコルムナバックナンバーを読んでいただければ分かります。
 さて、読者は2週間海外旅行で箸を使わなかったからと言って、帰国して箸を使う練習をしてからご飯を食べるでしょうか? それどころか、日本人なら一年後でもいきなり箸を持って何の不安も感じません。
  同様の心理で、スペイン人、特にジプシーのギタリストは今からギターを持ってギターを弾こうと言う、何か特別な事をし様と言うモードに入りません。全くの普段着モードだと臭って来ます。
 だからこのギタリストは日本人が何の不安も感じず普段着モードで箸を自由自在に使う如く、何の不安も感じず自由自在に弾くのです。いえ、日本人が食べている時に箸を使っていることすら意識していない様に、このギタリストもギターを弾いている意識さえ希薄な感じがします。
 それはこのギタリストの指ではなく、何食わぬ演奏中の顔を見れば伺えます。もう一度ご覧下さい。箸も指も勝手に動いているのが分かるでしょうか?