2013-03-04

561 スペインで鉛筆削り 05-03-2013(火) 

 日本語情報センターの筆者の机の右端に電気スタンドと筆立てがあります。その中に何年か前から何故かチビた鉛筆があります。長さ9cmの三菱鉛筆。来館者の誰かが持って来て置いて行ったのかどうか身に覚えがありませんが、ボールペンが見当たらない時だけ走り書きに使います。
 それでも、先日さすがに黒い芯がチビて来て書けなくなりましたので放っておきました。削るすべがなかったからです。
 筆者が鉛筆を使っていたのは中学生まで。高校時代はシャーペンでした。それでも実家の自室の机の角に挟んでネジで留める鉛筆削り器がありました。そう言えば携帯用のプラスチックの小さいおもちゃみたいなのもありましたよね。鉛筆の先を入れて指で回すやつです。これも中学校までは学校に持って行っていた様な気がします。
 そこでチビて書けなくなって2、3ヶ月放置。先日ここは鉛筆で薄く書いて、後から消しゴムで消した方がいいと思うことがありましたので、意を決して削ることにしました。 

 私たちは何一つこの世に持って来なかったし、何一つ持って出ることも出来ません。衣食があればそれで満足すべきです。-----或る昔の偉い人

 とは言え何の器具もなし。仕方がないので、意を決してカッターで削ることにしました。木の部分から始めて芯まで。この操作を何度か繰り返して削ると、黒い芯が2mmほど出て来てまた書ける様になりました。
 何のことはないのですが、こんなことでも40年振りですから、ある種の意を決する感覚があったことが自分で不思議でした。すると、こんな些細なアホらしいことでも40年振りの感触に小さな新鮮な感動を覚えました。
 よく見れば極めて不恰好な仕上がり。これだけ年月が経てば人は鉛筆削りも円周率3.14さえも忘れてしまうものかと、2度も小さな新鮮な感動をした筆者であった。

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