2012-05-28

522 お祝いの花火でICU 29-05-2012(火)

先週たまに見ている読売新聞サイトの中学生ら、対岸の小5にロケット花火? 5人けがなる記事が目を惹きました。軽症なのですから、あ、そうで読み流すところなのですが・・・。
その前日19:30(と言ってもスペインでは皆おやつを食べ終わった真昼:最近日没22時)、筆者の地元グラナダ県北部バサ(Baza)と言う町を一歩出た農業用倉庫にあった花火が突如大爆発
実はこの日この時間300m横の道を通過予定のマリア巡礼の列に倉庫から花火を打ち上げ様と待ち構えていたところ、予定前に原因不明の大爆発。倉庫にいた5人の内1人軽症、4人重傷。内2人はグラナダ市内のICU。一日違いの似た様な事故でも、情熱のスペインの方がスケールが違うとおかしな感心をしてしまった筆者であった。

 逃げる雀のように、飛び去るつばめのうに、いわれの ない呪いはやって来ない-----或る昔の偉い人

そう言えば10年ほど前、スペインのサッカーの試合でファンの飛ばした花火が反対側のスタンドにいた子供に命中して死亡した事件がありましたが、なるほど、世の中悪いことはもちろん、いい事も含めて、いわれなく起こる偶然はないのが人生なのでしょう。偶然と見えても何か理由がある、いや、仮に偶然だとしても、そこから教訓を得れば必ず何かいい事に通じる・・・。
逆手に取ってこう考える積極思考なら呪いも祝福に変え得るかも知れませんが、その前に何よりおかしないわれの種を蒔かないことかも知れませんね。

496 グラナダでロシア人ギタリスト 29-05-2011(火)

グラナダ市在住新進気鋭のギター製作家フランシスコ・アルバ氏のところに2年に一度ほど知り合いのロシア人ギタリストが尋ねて来るそうです。
筆者はまだ会ったことはありませんが、名前はGrisha Goryachev確かにロシア人みたいな苗字ですが、初対面でいきなり張ったばかりの新しい④弦を左手一本でぶった切られたそうです!? しかも交換しても、交換しても3本連続同じ様に左手一本でぶった切る。
アルバ氏はこりゃ常人並のフレットの角度じゃいかんと冷や汗をかきながら、咄嗟の判断でフレットの丸味をヤスリで調整したところ切れなくなったそうです。
左手だけの練習のことです。それだけの力が④弦に加わったからこそ切れてしまった訳ですが、だからと言って本人がバカ力を込めて押さえたり、力任せにスラーやハンマリングしている訳ではありません。名人達人は最小の力で最大の効果を上げることを知っています。
証拠はこの涼しい顔の演奏。いえ、涼しい顔だけなら幼少期の演奏の方が年期が入っています!?
 確かに外国人故にフラメンコの味が今一スペインぽくないかも知れませんが、そんな批判を黙らせるスーパーテクニックですね。参りました。

2012-05-21

521 15年ぶり発覚戦慄のミスジャッジ 22-05-2012(火)

先週の金曜日、街で夫婦二人連れに声を掛けられました。筆者がサッパリ誰か分からずにいると、昔毎日の様に行っていた定食屋のウェイターと奥さんでした。もっとも当時とは打って変わって前頭部がズル剥けていましたので、確かにあれでとっさの判断は無理です。
156年前彼女を腹ませて(言語学的には腹膨らませての略か?)結婚したのは知っていましたが、今ではグラナダ市郊外で自分のレストランを経営しているそうです。
ところが、久しぶりに日曜日に行った定食屋の息子の話によれば、2人の子供を奥さんに明け渡して23年前に離婚。財産分配など後始末の離婚調停も終わり、筆者が金曜日に会ったのは奥さんではなく、ブラジル人の新しい彼女とのこと!?
いい奴でしたが、離婚に終わったと言うことはミスジャッジ夫婦だったのでしょう。サッカーの大一番でミスジャッジを連発する離婚率65部の離婚大国スペインですから、こんな話はまとめて粗大生ゴミで捨てるほどあるはずです。

 塔を築こうとする時、まず座って完成に十分な金があるかどうかその費用を計算しない者がいるでしょうか。基礎を築いただけで完成出来なければ、見ていた人は皆嘲笑って『この人は建て始めはしたものの完成出来なかった。』と言うでしょう。-----或る昔の偉い人

しかも、ブラジル人の新しい彼女はブラジルへ行こ~と口説いているとは定食屋の息子の話。確かに不景気で仕事のないスペイン人がかなりブラジルに渡っているご時勢なのですが、オリンピックにサッカーワールドカップでにわか景気のブラジルに目移りすれば、その分後が怖いのは目に見えています。目に見えていなければまた飛んで火に入るミスジャッジの連発にもなりかねません。
人生はある意味ミスジャッジを犯して、それを修正克服することの積み重ねと言えなくもないでしょうが、しかし、後から修正の利かないミスジャッジを犯す位なら鳴くまで待とうホトトギスでしょうね。急いてはことを仕損じます。ましてや、愛情と発情期の区別が付かないなど、まず座って完成に十分な金があるかどうかの費用の計算を度外視して塔を築く様なものですから、そりゃ塔は未完成で崩れる方が自然の成り行きなのです。
残念ながら15年と言う歳月と、母子家庭の子供二人がそれを証明したことになります。

495 雨後の竹の子ギターリスト 22-05-2011(火)

一昨日日曜日の地元新聞に出ていたグラナダ県北部のバサ(Baza)出身のフラメンコギタリスト、アルベルト・ロペス(Alberto Lopez)。 
去る55日何とか若手コンクールで優勝した記事です。スペイン人男性にありがちな、とても1990年生まれの22歳とは思えない頭髪ですが、いや~滅茶苦茶上手いですね。
ところが、フラメンコの土地スペイン南部のアンダルシア地方はこんなのがその辺にゴロゴロしている土地柄なのです。雨後の竹の子の如く、放っておいても次から次へとこんな名人達人がゾロゾロ出て来ますから外人は適いませんね。努力もですが、ある意味その土地に生まれなければどう仕様もないのが民族音楽だと痛感させられます。
ところで、この演奏はソレアレス(Soleares)と言って、コルムナ493でご紹介した12泊で一周するフラメンコ独特のリズム周期の一つ123456789101112弱弱弱弱)です。手拍子で追ってみて下さい。クラシックギターの読者はからっきし分からないことを保障します。

2012-05-15

520 2年連続戦慄のミスジャッジ 15-05-2012(火)

一昨日日曜日、20チーム中下3チームが2リーグAに降格するスペインサッカー一部リーグ最終戦が各地で行われました。
この時点で下から3番目(40点)だったZaragozaは敵地で2-0で勝ち43点で一部リーグ残留。結局下から5番目の16位。
そして、試合前41点のGranada CF40点のRayo Vallecanoは勝った方が残留、負ければ降格の選手もベンチも観客も殺気立ったRayo Vallecanoのホームでの異様な雰囲気の試合は0-0のまま後半戦も、Rayo Vallecanoが試合終了間際92分にゴールを決めて1-0となり自力で残留を決めましたが、明らかなオフサイドの見逃し(だそうです、筆者は分かりませんが)。
最後の最後で、しかも去年のミスジャッジで一部リーグ昇格の天罰かと思いきや、すぐに試合終了のホイッスルが鳴って、両チーム仲良く一部リーグ残留のお祝い!?
実はその僅か2分前に、試合前同じく41点で別のスタジアムで最終戦のVillarrealが相手のAthletico de Madrid試合終了間際に強烈な頭突き攻撃で一点入れられ勝ち点41点のままで下から3位で12年ぶり2部リーグ降格(00:20からは2部降格Villarreal首脳陣の退席の模様)。おかげ様で負けて42点のままのGranada CFはギリギリ下から4位で一部リーグ残留決定。もしVillarrealが引き分けていれば得失点差でGranada CFが降格だったのですから、正に首の皮一枚で2分前に滑り込みセーフのクロスプレーでした。おかげでGranada CFRayo Vallecanoの試合後も予想された乱闘騒ぎはなく、待機していた機動隊の出動もありませんでした。

自分の畑を耕す者は食糧に飽き足り、虚しい物を追い求める者は貧しさに飽きる。-----或る昔の偉い人

いや~、筆者はサッカーに興味はありませんが、ある意味他人の優勝よりも不幸の方が面白いですね!?
いずれにせよ、所詮プロスポーツは観客に夢を売る商売です。早速夢から醒めてみれば、Granada CF残留決定の一面大見出しと同じ昨日の新聞には株式市場は今年最低値を記録し、グラナダ市内の社会食堂はスーパーで食糧を買う金がない市民が倍増しているそうです。
所詮は夢に過ぎないサッカーのミスジャッジなら他力本願で何とかなるかも知れませんが、人生のミスジャッジで社会食堂通いの人生ならやはり考え物です。年齢によってはいくら考えてもどうしようもない人も多いでしょうね。

494 ギターは足で弾くアンドレス・セゴビア(6) 15-05-2011(火)

昔どこかのギターコンクールの論評に、誰それは演奏中足を踏んで見苦しい、とか書いてありました。現代ギター誌でしょうね。
確かに舞台マナーは必要かも知れませんが、そんなこと言われたらフラメンコギターリストは天下のパコ・デ・ルシア(2:54~)を初め、皆見苦しいことになります。
フラメンコギターならリズムに乗れば、そして、クラシックギターなら調べに乗れば、人はその才能ほどに足に限らず体が動いて来る方がむしろ自然じゃないでしょうか?
筆者は中3の時ブラスバンド部の部長で、最後の方はタクトを振ることもありました。
当時子供心にオーケストラの指揮者や、ピアニストなど、体を揺り動かすのはオーバージェスチャーだと思い込んでいましたので、格好付けずに腕だけ動かそうと思っていました。
しかし、こちらに来てフラメンコギターに触れて気付きましたが、あれは格好付けているのでも、オーバージェスチャーでも何でもなく、乗れば体が勝手に動いてしまうのですね。またそう言う時の方がいい演奏になっていることは言うまでもありません。
乗っている時にはフラメンコギタリストの足は勝手に動く・・・。そんなフラメンコの土地に生まれた20世紀最高のクラシックギタリスト、アンドレス・セゴビアは上手く弾けるなら足で弾いても良いと言ったのかも知れませんね。


2012-05-07

519 サッカーリーグ優勝は発砲してお祝い!? 08-05-2012(火)

スペインサッカー一部リーグは先々週Real Madrid が優勝。毎年大体Real MadridBarcelonaのどちらかが優勝すると決まっているので面白くも何ともないのですが、筆者の地元グラナダ市を初め、スペイン全国にファンがいるのはこのReal Madridの特徴でもあります。野球で言えば巨人みたいなものですね。
そこでグラナダ市郊外のPeligrosと言う町でもファンが喧嘩の挙句拳銃をぶっ放してお祝い!? 一つ間違えば大事に至るのが情熱のスペインなのです。
そして、その優勝したReal Madridの次の対戦相手は何とGranada CF。しかもホームで先週土曜日。予想に反して1-0でリード。しかし、残り10分のところでオウンゴールにペナルティーであっと言う間に1-2で頭に来て、猛抗議して審判に暴言を吐いてペットボトルを投げ付け、次の最終戦に出れなくなった主力二選手。
しかも、最終戦は消化試合でも何でもなく、順位表下から5番目のGranada CFは勝てば一部リーグ残留、負ければ二部リーグ降格(下位3チーム)かも知れない大一番。
 これが順位表(中ほど)。下から3番目の18Zaragozaはこのところ6試合負けなしで40点と絶好調。次勝てば43点。現在42点の15Granada CFが次ぎ負ければ順位は入れ替わってZaragozaが残留でGranada CFは降格。しかもZaragozaの最終戦の相手11位のGetafeは勝っても負けても何と言うことはない位置なので、今一やる気は無いはず。ところがGranada CFの最終戦の相手、17Rayo Vallecanoもまたご覧の様に降格ギリギリの40点。完全に尻に火が点いた同士の試合はRayo Vallecanoの本拠地で、その上Granada CFは暴言とペットボトルで飛車角抜き。

自分の畑を耕す者は食糧に飽き足り、虚しい物を追い求める者は貧しさに飽きる。-----或る昔の偉い人 

いや~、筆者はサッカーに興味はありませんが、下の方は面白いですね。13日、次の日曜日です。この調子では、どっちが勝っても負けても試合後の双方のファンがタダでは済まないこと情熱のスペイン。当然機動隊も待機していることでしょう。
人生本当の正念場は各自自らの畑であり、サッカー劇場じゃないんですけどね。

493 ギターは足で弾くアンドレス・セゴビア(5) 08-05-2011(火)

ついでにフラメンコギターの難しい足の踏み方もやってみましょう。クラシックギターの読者は面食らうはずですが、アンドレス・セゴビアの言った上手く弾けるなら足で弾いても良いの意味がこれかも知れないと思って挑戦してみて下さい。
12泊で一周するフラメンコ独特のリズム周期の一つ1_2_3_4_5_6_7_8_9_10_11_12。つまり、弱_弱__弱_弱__弱__弱__弱_これだけでは面白くありませんので、コードを付けましょう。
E_E_E_E_E_E_E_E_F_E_E_E
9泊目に1つだけFがあります。気を付けて下さい。後は皆Eですから簡単ですが、これだけでもAm(ラ)で終る西洋音楽の単調ではなく、日本の陰旋律と同じE(ミ)で終る東洋音楽的なフラメンコの響きが味わえます。
簡単ではないのが、太字のEを足を踏むことです。そして、特にアクセントの無いFを踏まないことが如何に難しいか体験してみて下さい。単発で終らず、何度も繰り返して12泊で一周する感触を掴んで下さい。
このフラメンコ独特のリズム周期は当然フラメンコの土地に生まれたアンドレス・セゴビアにとっても普通の感覚だったことは間違いありません。これをスムーズに足を踏めるなら、指は勝手に動くはずじゃ・・・。アンドレス・セゴビアはこんなフラメンコ的発想で上手く弾けるなら足で弾いても良いと言ったのかも知れませんね。実際フラメンコギターの世界では足が踏めないと弾いたとは見なされないのです。