2011-12-05

498 タダ働きで自宅にご招待 06-12-2011(火)

先週キューバのカストロ首相の家に招待されたと言う初老のおじさんに会いました。とは言え1971年の話。カストロ政権が年産何万トンだかのサトウキビ栽培を国家の目標に掲げ、世界中からボランティアを募ったのだそうです。
 大阪万博の翌年ですから、中学生のガキだった筆者は知る由もありませんが、結局タダ働きで利用されただけじゃないのか? そうだったよな、とかおじさん。おまけに行き帰りの飛行機も自前ですからネギカモじゃないですか?
 もちろん、寝る所と食事はタダだったそうですが、共産主義国ですから配給制。筆者も32年前ソ連に行った時に垣間見ましたので何となく分かります。金じゃなく、食券を持ってスーパーと言うか食料配給所みたいな場所に行って長い行列を作るのです。
 しかも毎日ジャガイモとチキンだけ!? ソ連の方がもう5品位多かった!? モスクワはさすがに20品目多目でしたが!? 7、8年前キューバに行った日本人も『いや~、聞きしに勝るヒドいとこだった』そうです。
 その滞在中このおじさんを初め世界中から騙されてボランティアにやって来た青年達がカストロ首相の家に招かれたところ、家の中はガラガラで何もなかったそうです。さすがはアメリカに牙を剥く共産主義者。言行が一致しているところだけは凄いじゃないですか? ロシアや中国の銭ゲバ共産主義ならこうはいかんでしょうね。

 受けるより与える方が幸いである。-----或る昔の偉い人

 誰も何も自分の物と思わず、総てを共有して必要に応じて分け与える・・・。筆者は今でもこの純共産主義こそ理想郷だと思っていますが、これが身勝手で自己中な人間様に実行出来ると愚かにも信じた時点で共産主義は失敗だったのです。
 そして、大失敗する前に半資本主義を導入したロシアと中国は上手く立ち回ったと言えなくもありませんが、あくまで孤高のカストロ首相のキューバからは原付ボートに乗った難民がアメリカ目指して後を絶たず。こう言うのをアメリカンドリームとか呼ぶんでしょうかね?
 それじゃあ、資本主義社会の方がいいのか? 一般論としてはそうでしょうが、共産主義の檻から解き放たれた中国人を見ておぞましいと思うだけまだ日本人には救いがあります。
 自分とせいぜい自分の家族の受ける分が価値観の内は広い意味で欲望の墓です(コルムナ79&80)。受けるではなく与える価値観に変わらなければ本質的には何も変わりません。政治体制の問題じゃないんですよね。

0 件のコメント: