2011-01-31

432 マヌエル・カ-ノ先生のギタ-吟味(5) 01-02-2011(火)

 人間もそうですが、個性のない奴は面白くない。ギタ-もそうなのでしょう(先週のコルムナ)。それに、良いギタ-を形容するのにこのギタ-(の音色)は個性があるとは故マヌエル・カ-ノ先生だけではなく、筆者の経験では多くのギタリストの口にする表現ですので、これは万人に共通のギタ-選択基準と言えます。
 次に、これまたマヌエル・カ-ノ先生の口にしていた表現ですが、このギタ-は歌うと言うのがあります。
 これまた分かり難い言い回しです。つまり、歌わないギタ-は悪いギタ-だと言うことでもありますが、一体どう言う意味でしょう?
 マヌエル・カ-ノ先生に師事した先輩の吉川二郎氏に、ある時日本語情報センタ-でベルンド・マルティン作タレガモデルを試してもらったことがありました。まず、筆者が音合わせしていると、その時まだ触ってもいなかった吉川氏がこれはええと言いました。しかも、筆者の記憶では、筆者が僅かに①弦だけ単音を数音弾いた時点でのことでした。名人は名器を知る、しかも初見で知るとでも言いましょうか。単音を爪弾いて、或いは、コ-ドを押さえて掻き鳴らすだけで果たしてこのギタ-は歌うか否か、聴く耳を持っている人は即座に利きます。
 この時吉川氏がこのギタ-は歌うと言ったかどうか覚えていませんが、筆者がもう少し加えて説明するとすれば、それはこのギタ-は自ずと歌うと言うことです。

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