2009-08-31

386 何の遊びじゃ!? 01-09-2009(火)

 一昨日は歴史的選挙結果。果たして日本はどう変わるのか? もちろん、投票した有権者は日本が良く変わると思って投票した訳だが・・・。
 昔あるお婆さんに聞いた話では、戦時下の小学生の頃、食事の度に〝この食事がいただけるのも兵隊さんのおかげです〟と言っていたそうだ。今我々がその場にタイムマシンで行けばギョッとすることだろう。
 そして今年は戦後64年。幼稚園児から銀バエの如く髪を染める非国民ファッション。ミニスカ-トの制服のおかげで後を絶たないスケベ教師に変態巡査。金満社会とゆとり教育ここに極めり(窮めり!?)かも知れない。これに大半の日本人がギョッとしないのだから筆者はギョッとする。おまけに麻薬汚染は何もゲ-ノ-界に限ったことじゃない。
 人生とはある意味ハンドルやブレ-キの遊びと同じ。一切遊びがなく戒律的でも、遊びがあり過ぎて自由を自我の垂れ流しと取り違えても、両者共制御不能で交通事故(コルムナ383)。
 この戦中戦後のお話は一見右翼と共産党ほど両極端に見えなくもないが、実は両極端に見える遊びの一切ないハンドルやブレ-キと遊びのあり過ぎるハンドルやブレ-キが同じく制御不能で、同じく交通事故を起こすことにも酷似している。
 確かに国のハンドルとブレ-キ捌きが政治家の仕事とも言えなくはないが・・・。

 知恵の正しいことは、その行いが証明する。-----或る昔の偉い人

 ハンドルとブレ-キの遊びが適度であるかどうかはその運転が証明する、と言い換えることも出来ます。国や政治や政治家の他人事ではなく、我々国民一人一人のハンドルとブレ-キの遊びのことです。
 サウナ状態の夏の車内に幼児を放ったらかしてパチンコに腑抜ける腑抜けママも、嫁いびりのおしんの佐賀の姑も共に自己中心で他人を激しく傷付けて、それに全く無頓着なことに変わりはありません。そして、硬派と軟派の両極の様で両者共に知恵がないこともまた共通です。
 政治家ではなく、国民一人一人が知恵を欠けば、どんなに政治や政党が変わろうが、日本は日本国民の知恵のレベルほどに変わって行く、ただそれだけのことです。
 ミクロなくしてマクロなし。マクロの質はそれを構成するミクロの質以外の何物でもありません。当たり前田のクラッカ-(←分からない読者はお父さんに訊いてね)!? 遅かれ早かれその行いが証明することとなるでしょう。

360 良いギタ-は良い素材か!?(2) 01-09-2009(火)

 もう18、9年前の話です。と言うのは、師匠のマヌエル・カ-ノ先生が亡くなって来年1月で20年。それからほどなくと記憶していますので、18、9年前のことになるのでしょう。
 神戸のクラシックギタリスト弘井俊雄さんがアルハンブラ宮殿に隣接するCarmen de los Martiles庭園中庭で夏の夜のコンサ-トのためにやって来ました。
 前の日だったと思いますが、カ-ノ先生のお宅に2人で伺いました。当時まだ先生のコレクションは日本に行く前でしたので、何本かのギタ-を試しに弾いてもらいました。サントスにフレタにマリン・・・。さすがはギタ-コレクタ-としても有名だったカ-ノ先生。下々は弾いてはいけない様な大御所製作家のギタ-ばかりで、しかも年代物がずら~。
 その中に1本、裏板は3枚寄せ。表面板に至るまで体中節目だらけの小さなギタ-がありました。
 つまり、製作家なら、その名誉のためにもこう言うギタ-だけは作ってはいかんと言うギタ-の典型でしたが、これがバカ鳴りの逸品。弘井先生曰く、これが一番の逸品だそうです(続く)。

2009-08-24

385 利得が悪いか!? 25-08-2009(火)

 世界的不況の煽りを受け、グラナダ県では今年に入り物凄い数の個人業が店終いしているとの報道があった。スペイン全国でも似た様なものだろう(日本もだったりして!?)。
 筆者の住む地元グラナダ市は人口28万人。スペインの地方都市としては甚だ大きい方なので、街を歩いてあからさまに不況だ、と目に見えて分かる訳ではないが、やはり、体力のない商店やビジネスほど立ち行かないご時勢であることは間違いない。
 そんな中、去年秋倒産した筆者が長年行っていたス-パ-の跡(コルムナ339)。長らく空き家状態だったが、先日新しい店になっていた。何と中国人経営の激安雑貨店。因みに隣はモロッコ人のファストフ-ドのケバブ屋、スペイン人経営の金物屋、そして、もう一軒中国人経営の小さな食料品屋となっている。
 これも時代の流れかも知れないが、地元ス-パ-が潰れて中国人の店とは皮肉と言うより象徴的、いや、今後の世界を占うべく予言的とさえ言える。
 不景気になればなるほど庶民は質より安さに釣られて中国人の思う壺。筆者も半年前市内量販店(ここは中国製品だがスペイン人経営)で買ったマ-カ-4本4色パック1.20ユーロ(約165円)をおととい開いてみれば、3本は干からびて使い物にならない。なるほど、安かろう悪かろうに引っ掛かる筆者もまた貧乏性と言う訳じゃ。 
 そう言えば、筆者の知り合いのモロッコ人の故郷の小さな町にさえ最近中国人の雑貨店が出来て地元商店を潰しているとか!? そこは確かにスペイン領メリ-ジャ(Melilla)市に近く、我々が想像する砂漠の中のどうしようもない村ではないらしいが、しかし、アフリカまで行って金儲けするか中国人。その思い切りの良さだけは見下げるより見上げた方がいいのかも知れない。
 ただ、以前スペインの国際ニュ-スでも言っていたが、いわゆる華僑は上海辺りの中国人に限られており、以前やって来たハルピンの日本企業に勤める日本人女性旅行者の言うには、連中は中国国内でも他の地域の中国人からは守銭奴と呼ばれて嫌われているそうだ。なるほど、一人の悪い生徒で学校全体を決め付けてはいけない。

 卑しい利得を求めるのではなく、心からそうしなさい。-----或る昔の偉い人 

 海外に出ると分かりますが、日本人ほど金に淡白な民族はいません。これでもです。あとの連中がそれ程酷いのですが、それでも金銭社会である以上、何党が政権を取ってどんな政治をし様が、基本的には何も変わりゃしません。一体何が解決策なのでしょう?
 と、今まで誰も思い付かなかった様な斬新な政治や政策を思い付こうとするほど無駄に終わってしまうことは過去の人類の歴史と、何より21世紀の現代社会が証明してはいないでしょうか? 仮に今回の選挙で政治的に最善の結果が出たとしても、日本人が変わらない限り、上辺はともかく日本は基本的に変わりゃしません。
 それは個人から国歌に至るまで皆卑しい利得を人生の座標に据えてしまったからかも知れません。しかし、利得自体が決して悪いのではなく、心からそうすれば、それは真っ当な利得に変わり、社会国家までも変わって行くはずです。選挙結果ではありません。
 昨日終わった甲子園の高校野球は金は一切関係なく、純粋に技術を競うから人として感動を呼び起こすのだとすれば、ヒントは何か新しい政策ではなく、意外と金銭に無関心だった幼少期や学生時代にあるのかも知れません。もちろん、無気力無感動の若年寄みたいなのは除きます。

359 良いギタ-は良い素材か!?(1) 25-08-2009(火)

 高いものなら原材料も高いのは当たり前でしょう、普通は。ギタ-もそうです、普通は。
 高いシリ-ズのギタ-に安いシリ-ズの木材は使いません、普通は。
 安いシリ-ズのギタ-は中国製ギタ-にラベルを張り替えて自社製として販売します、21世紀の今日ごく普通に!? 世界のどのメ-カ-も・・・かな!?
 さて、このところ良いギタ-とはどんなギタ-かについてコルムナしています。今週からは良いギタ-の素材について。言葉を変えるなら、高価な良い木材で出来たギタ-が必ずしも良いギタ-かと疑ってみることにします。 
 これは決して話題作りの捻くれた見方ではありません。論より背理法です。背理法とは昔数学でやった、一つ反例を証明すれば、それが成り立たないことになると言うあれです。筆者の時分は確か高一の時だったと記憶しています。
 例えば出題が〝美人が皆心も美人か。そうでないことを証明せよ〟であれば簡単ですね。〝♪可愛いふりしてあの子わりとやるもんだねと言われ続けた♪(←分からない読者はお父さんに訊いてね)〟ことにより、しかも、単に言われただけでなく、言われ続けたことにより、性悪であることが背理法により証明される!? とか!?
 ならば、飛び切り上質の木材を選りすぐったギタ-は果たして総て良いギタ-か? この命題に背理法でコルムナしてみましょう。

2009-08-17

384 荒れるスペインの病院!? 18-08-2009(火)

 日本語で荒れると言えば普通は学校だが・・・。
 頭に来た患者や、患者が体力不足の場合はその家族や付き添いが先生や看護婦に暴力を奮うのはもう常識になったと言ってもいいスペインの医療事情(か!?)。さすがは情熱のスペイン。この手のニュ-スはもはや些細なことに成り下がってしまったので、世論もまたかとしか思わなくなってしまった感があるが、一昨日日曜日の新聞を見て少し筆者も認識が変わった。こうした当事者(容疑者か!?)の多くは薬中だと言うのである。
 なるほど、いくらスペイン人は血の気が多いとは言え、過去何度かこちらの病院で診てもらった筆者の経験でも、まさか病院で大立ち回りと言う雰囲気はなかった。しかし、麻薬で頭が蝕まれているとなれば、いくら院内と言えども、これはもう一人無法地帯だ(← バレ-の一人時間差の派生語)。せいぜい同類項のお仲間と一服しながらじゃれ合っているならいいが、堅気の医師や看護婦や待合室の病人にまで手を出すから始末が悪い。
 急性薬中やアル中で担ぎ込まれる急患の多い土日の夜の当直の受付や医師は気が気じゃないそうだ。本当はこんな奴ら放っときゃいいと思ってもそうはいかない。しかも、こんな奴らが保険書を持っているはずもなく、人道上処置をしてお引取りを願うが、請求書は宙に浮いて、結局納税者の懐から。

 人に思慮があれば怒りを遅くする。その人の光栄はそむきを赦すことである。-----或る昔の偉い人

 先週もう20年以上前東京のどこかでバ-テンをやっていたと言う旅行者がやって来ました。週末はアメリカ軍基地からドバっとアメリカ兵がやって来て店内は薬パ-ティ-。どこの所属だと聞いたところ、エアフォ-ス(空軍)とのお答え。いや、こんな薬中のイカレポンチに飛行機が操縦出来る訳はないとの確信の元、更に任務内容を訊いてみると、飛行機の車輪の車輪止めを外すだけだとか!? なるほど、気違いに刃物、薬中に戦闘機では漫才にもなりません。
 世の中一人漫才で他人を巻き添えにして悦に入っている気違いが多過ぎるのです。スペインやアメリカの人事ではないのが気がかりです。

358 良いギタ-は熟成した古いギタ- 18-08-2009(火)

 コルムナ347からギタ-は生鮮食料品ではなく、時が経つほど熟成して味とコクを増すワインの様なものであることを見て来ました。アルコ-ルを飲まない読者(筆者も酒は養命酒だけ)には納豆やチーズと言えば分かり易いでしょうか?
 昔チェロのプロがやって来たことがありました。バイオリンだけでなくチェロも作ったストラジバリウス(同348)のチェロは200何年経った今だからこそ凄い音がしているのだそうです。因みにこれは本体に使用されているかえでの木がちょうど200年ほど経過した頃一番鳴るのだそうです(本当か!?)。実はレオ-ナでは既にかえでの木のギタ-を世に送り出していますが、宣伝文句が200年後何とかじゃあ今一拍子抜けですかね?
 もっとも、スペインのフラメンコギタリストはかえで材のギタ-を使っているプロも結構います。作り方次第で音質は甘くもなり、鋭くもなります。
 さて、以上読者の新品の方が良いギタ-だとの固定概念を覆すためのコルムナだった訳ですが、覆される気もなければ、中古車は安いのが当たり前の一点張りになってしまいます。
 誰かが安く手放したギタ-が中古ギタ-として安く売られるのもまた当然ですが、それはあくまで中古ギタ-にまとわり付く純粋に金の話。
 しかし、ギタ-は金ではなく音です。ギタ-は音ではなく金だと思い込んで中国製スペインギタ-に魂を売ったスペインの有名ギタ-メ-カ-や、百も承知の日本の輸入業者の思う壺にハマりたくなければ、ギタ-は金ではなく音の価値観がぶれないことです。
 その肝心のギタ-の音が年数の経過と共に熟成して行くのなら、これに注目しない手はないじゃあ~りませんか。

2009-08-10

383 心が狭い・・・のか!? 11-08-2009(火)

 やはり、と言うかスケ-ルが違う。スケ-ルとは物差しのこと。使っている物差しが地球と火星ほど違う。おそらく・・・。
 たった0.008gの麻薬で逮捕、解雇、アルバム発売中止、あれこれあれこれ・・・。しかも、日本中が大騒ぎ!? 吹けば飛ぶ様な(将棋の駒か!?)微量で、日本人は心が狭いとスペイン人ならマジで言いそうだ。
 確かに準麻薬認定国家のスペイン人には理解し難い今回の事件だろう。つい数日前の新聞でも、正確な数字は忘れたが、この国では相当数の若者、いや、中学生の子供から中毒とは言わないまでも何らかの麻薬経験者。ビ-ル、ワインは水代わり(これは大昔からだが)。15歳になったらタバコ辞めたいと言う連中がゴロゴロしている。
 実際筆者の地元グラナダ市でも、日本語情報センタ-から歩いて数分の裏通りが薬中街になっており、一目見てこう言う人間にだけはなってはいかんと言う連中がわんさかいる。スペイン語はもちろん、英語ドイツ語フランス語日本語など何語でも聞こえて来ると言うことは、この世界に入ったら何人だろうが関係ない。週末には麻薬の売人が立ち並び、私服の刑事が追っ付かなくなる。 こう言う世相だから、麻薬の運び屋が捕まって何キロと押収されたのならともかく、仮に国際ニュースに出ても(出なかったが)、8gでもまず第一報でマジに取るスペイン人はいない、警察さえもである。おそらく、日本のどっきりカメラか麻薬を題材にした映画のロケか何かと思うに違いない。
 これが地球と火星のスケ-ルの違いであるとも言える。
 たった0.008gと言うを見るから軽犯罪のケの字にさえ映らないのだろうが、それが邪悪の本の一端であることを認識して追い詰めるだけ日本の警察の方がましかも。ここでも量より質の大原則が垣間見えて微笑ましい(先週のコルムナ)。

 気違いは燃え木を死の矢として投げるが、隣人を欺きながら“ただ、戯れただけではないか”と言う者もそれと同じだ。-----或る昔の偉い人

 それなら高校球児が隠れてタバコを吸って向こう半年間チ-ム全体が対外試合禁止とか、スペイン人には火星人の漫才でしょうが、漫才ではなく現実だと知ったら、スペイン人なら日本人は本当に心が狭いとマジで決め付けられそうです。
 しかし、人生とはある意味ハンドルやブレ-キの遊びと同じ。一切遊びがなく戒律的でも、遊びがあり過ぎて自由を放縦と取り違えても、両者共制御不能で交通事故です。
 高校野球と言えば、今年は雨に祟られている夏の甲子園大会の開会式で皇太子様(昔のひろ君か?)が松山商業VS三沢高校の決勝戦引き分け再試合のことを引き合いに出したのには少々驚きましたね。思わず大田幸二のグリコアーモンドチョコレートのコマーシャルを思い出しました(分からない読者はお父さんに訊いてね)。これも記録より記憶か!? やはり、『本当に価値あるものに賞味期限はない(コルムナ145)』ことを筆者もまた再認識した次第です。スタンドから一斉に拍手が起こったのも昔を知る観客がたくさんいたからでしょう。
 しかし、この話なら筆者はとっくの昔の10年前から日本語情報センタ-のサイトに書いているのじゃが・・・。誰も拍手がない!? 心が狭いんじゃないのか!?
 

357 実例、古いギタ-は良いギタ- 11-08-2009(火)

 先々週筆者は製作家のフランシスコ・サンチェス氏に会いに半日遠足でセビ-ジャ県の田舎町エステパまで行って来ました。その様子はスペイン週間コルムナでもご紹介した通りです。
 修理に出していたアベバイと言う木材のクラシックギタ-を引き取りに行って来ました。修理とは言え、指板の両側に自然に出て来た金属製のフレットを削るだけのごく簡単なものだったのですが、何せ170Km離れていますので、中々お互いの都合も付かず、つい半年が経ってしまっていたと言う訳です。
 このギタ-ですが、驚きました。誰かが弾いていた訳でもないのに(ギタ-は弾くほど音が良くなる)、凄い音量にすきっとした清涼感のある音色。しかも、どれだけガンガンやっても息切れしない粘り腰。見違える様な変貌振りに驚きました。
 正直、入手した当初は今一かなと思ったほどの出来でしたが、ここでもまたギタ-はビジネス的にみれば古いほど資本主義社会ではその商品価値を失うが(コルムナ349)、古いほど音色に優る良いギタ-になって行くことが証明されたことになります(同350351)。
 古いとか、ましてや売れ残りと言うと語弊がありますが、ギタ-の経過年数にもっと価値観を見出しても決して損はしない、いや、見出さなければギタ-人生損をする・・・。そんな教訓を再認識した有意義な半日遠足でした。
 このギタ-はまだあります。お問い合わせを歓迎します。

2009-08-03

382 頑張れスペインの少年サッカー 04-08-2009(火)

 先週グラナダに20年住んでいると言うハ-フの男性と知り合った。もちろん、日本語はペラペラ。地元少年サッカ-の監督をやっていると言う。それだけではやって行ける訳がないので、何か別の仕事をしていそうだとは思ったが、初対面なのでそこまでは筆者も訊かなかった。
 曰く、試合に負けたら親達は疑いもなく監督のせいにするそうだ。日本の読者はそう言われると何じゃそりゃと驚くかも知れないが、日本人から見れば宇宙人かと思えるほどのスペイン人の身勝手さが何たるかを良く知っている筆者には全く想定内の習性だ。いや、むしろこんな些細なことなど涼しい顔でやってもらわなければスペイン週間コルムナもネタが尽きる。
 そして、子供もまた親の鏡。単に勝った負けたを競うのがサッカ-だと思っているそうだ。これもまた想定内。
 そう言えば、戦後アメリカに渡って苦労した空手の故大山師範がアメリカでは勝つか負けるか、強くなければ話にならないとか書いていたのを思い出す。また、名前は忘れたが、別の武道家によれば、日本では特に学生スポ-ツなどで負けたけど良く頑張ったなどと言われるが、アメリカでは敗者は振り向きもされないそうである。
 時代背景が戦後ならましてやそうだったのだろうが、それはアメリカのみならず、現代社会でも大いにそうである、つまり、我々は結果偏重至上主義社会に住んでいるとも言える。
 例えば、三流大学より一流大学卒の方が良く見られるし、営業成績の良い社員の方が出世する・・・。
 当たり前と言えば当たり前だが、それは一言に要約すれば質より量の価値観だと言えなくはない。

 あなたの先祖が立てた昔からの地境を移してはならない。-----或る昔の偉い

 確かに50点より80点の方が純粋ににおいて勝りますが、一生懸命努力した挙句の50点と、出来る故に努力せずに取った80点の2人の学生。を競う試合に勝って、努力を怠らざるべき人間のにおける勝負に負けたのは80点の生徒と言う見方は出来ないでしょうか? 
 アメリカ人はともかく、こう言うと火星人の戯言を聞いたかの如きスペイン人なのは冒頭の通りですが、しかし、日本人の心にはまだ理解出来る糊代が残っていると思います。
 量より質とは敗者への思いやり、敗者の美学と言い換えることが出来るかも知れません。ただし、一生懸命頑張った敗者だけの美学と言うべきであって、自らの怠惰や不道徳の結果敗者となってしまったのなら、それは単に身から出た錆の反面教師に過ぎません。
 何でも昔の方が良かったと言う訳でも何でもありませんが、やはり、現代は思いやりの欠けた社会です。それは社会が悪いのではなく、社会の構成員である人間様に思いやりが欠け、徐々に単なる哺乳類のヒト科に成り下がっているからに他なりません。
 やはり、量より質。先祖の時代から言い古されたことばですが、この思いやりの地境を愚かにも質より量に移せば、やはり、ロクな世相とはなりません。
 スポ-ツが単なる点数を競うだけのゲ-ムとなる時、やはり、筆者は肝心要の何かが欠けていると実感せざるを得ません。
 思えば簡単なことです。量より質の思いやりを欠いた質より量の身勝手社会が美しい日本になる訳がないのです。

356 スペインからの輸入ギタ-です・・・か!? 04-08-2009(火)

 先週知り合いのフラメンコギタリストが日本からやって来ましたので、日本のフラメンコ舞踊教室の実態など聞かせてもらいました。
 箔を付けるためにスペイン人ダンサ-を呼んで来て集中講座をする舞踊教室が多くなって来ているそうですが、スペインでもバブルが弾け始めたとは言え、まだまだスペイン人フラメンコダンサ-を日本まで講師として呼ぶのは高い。そこで、スペインでそこそこ踊れる中南米出身のフラメンコダンサ-を安く呼んでレッスンするのが流行っているそうです。
 中南米からの出稼ぎで居付いた移民がフラメンコを始めると言う訳ですが、元々踊りは得意なラテン系ですから、地元スペイン人には適わなくても、そこそこ踊れる様になるそうです。
 それはそれで大いに結構ですが、この手の中南米移民のフラメンコダンサ-の方が安上がりなのは分かるとして、その宣伝文句がスペインからやって来たフラメンコダンサ-を講師に迎え・・・、だそうです。
 う~ん、考えるもんですな。限りなく嘘に近い真実か!? 鈍すれば貧す。貧すれば鈍す。鶏か卵かどっちが先か、産地偽装隠しの妙技!?
 だったら、中国製スペインギタ-も、スペインの有名メ-カ-から率先して中国に作らせて逆輸入してスペインの自社ラベルを貼ったものを日本に輸出する訳ですから正真正銘スペインからの輸入ギタ-です~!?
 う~ん、中国の前半は度外視し、確かに後半だけの真実が総ての真実だと思わせるみな話術ですな。皆良く考え付くものです。
 中国製スペインギタ-・・・。現実になった悪夢としか言い様がありませんね。合掌。