2009-08-24

385 利得が悪いか!? 25-08-2009(火)

 世界的不況の煽りを受け、グラナダ県では今年に入り物凄い数の個人業が店終いしているとの報道があった。スペイン全国でも似た様なものだろう(日本もだったりして!?)。
 筆者の住む地元グラナダ市は人口28万人。スペインの地方都市としては甚だ大きい方なので、街を歩いてあからさまに不況だ、と目に見えて分かる訳ではないが、やはり、体力のない商店やビジネスほど立ち行かないご時勢であることは間違いない。
 そんな中、去年秋倒産した筆者が長年行っていたス-パ-の跡(コルムナ339)。長らく空き家状態だったが、先日新しい店になっていた。何と中国人経営の激安雑貨店。因みに隣はモロッコ人のファストフ-ドのケバブ屋、スペイン人経営の金物屋、そして、もう一軒中国人経営の小さな食料品屋となっている。
 これも時代の流れかも知れないが、地元ス-パ-が潰れて中国人の店とは皮肉と言うより象徴的、いや、今後の世界を占うべく予言的とさえ言える。
 不景気になればなるほど庶民は質より安さに釣られて中国人の思う壺。筆者も半年前市内量販店(ここは中国製品だがスペイン人経営)で買ったマ-カ-4本4色パック1.20ユーロ(約165円)をおととい開いてみれば、3本は干からびて使い物にならない。なるほど、安かろう悪かろうに引っ掛かる筆者もまた貧乏性と言う訳じゃ。 
 そう言えば、筆者の知り合いのモロッコ人の故郷の小さな町にさえ最近中国人の雑貨店が出来て地元商店を潰しているとか!? そこは確かにスペイン領メリ-ジャ(Melilla)市に近く、我々が想像する砂漠の中のどうしようもない村ではないらしいが、しかし、アフリカまで行って金儲けするか中国人。その思い切りの良さだけは見下げるより見上げた方がいいのかも知れない。
 ただ、以前スペインの国際ニュ-スでも言っていたが、いわゆる華僑は上海辺りの中国人に限られており、以前やって来たハルピンの日本企業に勤める日本人女性旅行者の言うには、連中は中国国内でも他の地域の中国人からは守銭奴と呼ばれて嫌われているそうだ。なるほど、一人の悪い生徒で学校全体を決め付けてはいけない。

 卑しい利得を求めるのではなく、心からそうしなさい。-----或る昔の偉い人 

 海外に出ると分かりますが、日本人ほど金に淡白な民族はいません。これでもです。あとの連中がそれ程酷いのですが、それでも金銭社会である以上、何党が政権を取ってどんな政治をし様が、基本的には何も変わりゃしません。一体何が解決策なのでしょう?
 と、今まで誰も思い付かなかった様な斬新な政治や政策を思い付こうとするほど無駄に終わってしまうことは過去の人類の歴史と、何より21世紀の現代社会が証明してはいないでしょうか? 仮に今回の選挙で政治的に最善の結果が出たとしても、日本人が変わらない限り、上辺はともかく日本は基本的に変わりゃしません。
 それは個人から国歌に至るまで皆卑しい利得を人生の座標に据えてしまったからかも知れません。しかし、利得自体が決して悪いのではなく、心からそうすれば、それは真っ当な利得に変わり、社会国家までも変わって行くはずです。選挙結果ではありません。
 昨日終わった甲子園の高校野球は金は一切関係なく、純粋に技術を競うから人として感動を呼び起こすのだとすれば、ヒントは何か新しい政策ではなく、意外と金銭に無関心だった幼少期や学生時代にあるのかも知れません。もちろん、無気力無感動の若年寄みたいなのは除きます。

0 件のコメント: