2009-02-02

356 ハメるもハマるも思う壺!? 03-02-2009(火)

 地球全体の構造が大まかに南北問題なら、貧しい南から移民が仕事を求めて産業のある北へ向かう構図もまた地球規模で確かにそうなっているのが現代社会だと言える。
 筆者の故郷付近は造船所が多いが、1992年に帰国した際、電車の中でおかしなスペイン語が聞こえて来たので良く見ればインディオ丸出しの顔の中南米の労働者だった。ところが、2004年末、2007年春帰国した際は中国人で一杯だった。訪れた名古屋のある駐車場に中国語で防犯カメラ設置と立て看板があったのがやけに印象に残る。
 一方スペインでは、ことばの壁がないこともあり、元宗主国のバブルに吹かれてやって来た中南米の移民が多い。しかし、バブルが弾け飛んだ今、移民達は本国に帰るか、石に噛り付いても本国に帰らないために(帰れない事情の連中も結構いるらしい)、良からぬことに手を染めるかの二者択一を迫られている事情は日本の移民達と変わらない様だ。
 確かに気の毒ではあるが、いつまでも建設ラッシュが続くと思い込んで住宅ロ-ンを初めあれこれ砂上の楼閣を夢見ていたとすれば、それは思慮の深い行動だったとは言い難い。
 ところが、思慮が深いかどうかはともかく、一味違うのが中国人の移民達。日本には単に労働者としてやって来るだけかも知れないが、スペインを初めヨ-ロッパには百円ショップを出しに来る。分かり易く言えば、日本の量販店では日本人経営者が中国製品を販売しているのに対し、こちらでは中国人自らがわざわざ中国から100円ショップのオ-ナ-になりに来るのである。
 そうなれば、バブルが弾けて世の中不景気のなればなるほど連中の安売り戦術に追い風が吹く。背に腹は代えられない金のないスペイン庶民は例え安かろう悪かろうでもそこで買物をすることになるのは日本と同じ。それこそ背に腹は代えられない地元商店も価格を下げざるを得ない状況になって来ているのが、まだ始まったばかりの2009年の傾向だろう。まだまだ価格破壊と言うまでは行かない様だが・・・。

 卑しい利得を求めるのではなく、心からそうしなさい。-----或る昔の偉い人

 皮肉にも、生き残りのために原価の安い中国製品に切り替えざるを得ない地元スペイン人商店も多い様です。これではますます中国人の思う壺です。
 確かに資本主義は誰が何をいくらで売ろうが自由でしょうが、スペイン人はバブル期に自由に値を吊り上げ、中国人は自由に値を下げているとも言えます。対極に見えても、実は上げるも下げるも自らの欲のため。利得を求める性根は同じと映ります。
 筆者は誰が何をいくらで売ろうが基本的には気にしませんが、やはり地元の産業が落ちぶれることは一国にとって良いことじゃあないですね。その意味ではある種の黄禍論が21世紀世界規模で現実となっているのかも知れません。しかし、誰のせいだと名指しにするのではなく、多くの禍いの元はあくまで人間様の強欲です。
 それにしても原価二束三文の中国製スペインギタ-(今日スペインの有名メ-カ-が率先して中国に発注&日本のメ-カ-も!?)に、フカひれの代わりに臆面もなく春雨の入ったフカひれス-プ(2.35ユ-ロ=約210円:う~ん、確かに安い!?)。その原動力はともかく、華僑は真に逞しい限りです。

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