2008-06-16

323 地震よりサッカ-だ、スペイン人 17-06-2008(火)

 日本は先週土曜日岩手宮城内陸地震。四川大地震に比べれば極端に死傷者の数が少ないせいか、スペインでの報道は土日のみ。アジアには中国しかないと思っている連中が過半数を占めるこの国でも地震大国日本の耐震設計は有名なのだが、同情してもらうには御日柄が悪かった。
 ヨ-ロッパもスペインも諸手を挙げてサッカ-ユ-ロカップ(欧州選手権)の真っ最中。しかも、地震発生の土曜日はスペインが劇的な試合でフィンランドを破って決勝リ-グ進出を決めた正にその日なのだから地球の裏側の大惨事など馬耳東風。
 そんな中同じ日の新聞の生活欄にスペインは物価と事業の、英語に訳せば再アジャストが必要だとの社説があった。サッカ-のバカ騒ぎに隠れて人知れずひっそりとした社説と言う印象は否めない。確かに人は皆我が身に火の粉が降りかかるまでは何事も経験として身に沁みることはないのだが、超楽天主義のラテン民族なら尚更そうだ。今のところ、来るべきバブル崩壊とそれに伴う経済危機など丸っきり人事と思っているらしい。
 それでもガソリンの急騰で輸送業界のストが相次いだり、世界的な生活必需品の大幅値上げなど庶民も感じるところはあるのだろうが、この社説で“~が必要だ”と言っている以上、本番はまだまだこれからだと経済の専門家は見ていることになる。

 勤勉な人の計画は利益をもたらし、総て慌てる者は欠損を招くだけだ。-----或る昔の偉い人

 そして、人知れずひっそりと社説に注意していない限り本番は大地震の様に突然襲って来るのかも知れません。
 他人事みたいな社説より華やかなサッカ-ショ-に目移りするのが人情でしょう。しかし、サッカ-ショ-こそ実は所詮他人事だとすれば、花と実を丸ごと取り違えて欠損を招きます(コルムナ320&321)。
 以前旅行者からもらった日本の週刊誌にアメリカのサブプライムロ-ンショ-の記事が載っていました。『アメリカ人の気質が質実剛健にならない限り、この危機を乗り切ることは出来ない』とのコメントが印象に残ります。日本でも質実剛健など火星人の戯言みたいに訳の分からない若い世代が多くなって来てはいないでしょうか(先週のコルムナ)?
 質実剛健なら人は花より実に価値観を持つはずです。サッカ-ショ-はそれからでも間に合います。
 ところで、日本語ではいつから大地震を“おおじしん”と読む様になったのでしょうか!?

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