2008-03-17

310 9年前、25年前・・・ 18-03-2008(火)

 9年前と言えば日本語情報センタ-開設2年目の1999年。当時まだ暇だったので、どこからともなく依頼されたセビ-ジャ国際陸上女子マラソンに出場した浅利順子選手の撮影隊の通訳を興味本位で引き受けた。その間センタ-を閉めて、確か3、4日同行したと記憶している。無名の北朝鮮の選手が優勝して『将軍様、マンセ~』とか言っていた大会だと言えば読者も覚えているかも知れない。
 確かレ-スの2、3日前、撮影隊スタッフと旧市街のサンタクルス街を歩いていると、散歩中の高橋尚子選手にばったり会った。とは言え、筆者は当時日本の女子マラソンは誰が誰だかさっぱり知らなかったので、カメラマンから日本を代表する有力選手だとその時初めて聞かされた次第。結局その時は故障箇所が何とかで走らなかったのだが、一見どこの女子高生かと思ったほど、むしろ細身で小柄な普通の女の子と言う第一印象しか受けなかった。後にスペイン国営テレビのシドニ-オリンピック実況中継で金メダルを取ったのを見た時には嬉しかったものだ。
 その彼女が先日の名古屋女子マラソンで世代交代を思わせる様な大失速。こちらまで何か甲子園で負けた高校野球チ-ムを思いやる様な気分になった。
 そして、トチ狂ったかロス疑惑!? 今の若い世代には何のことかさっぱり分からないだろうが、筆者は確か2回目のスペイン滞在から帰国した大学7回生だったと思う(翌年卒業)。アルバイト先の名古屋中央卸売市場の青果問屋で、皆仕事を放ったらかして二階の事務所のテレビで社長も奥さんも社員も筆者も日本中がワイドショ-に釘付け!? 正直楽しい思い出である。もうあれから四半世紀。

 行いがあって初めてその人のことばに力がある。行いのない人のことばは却って人を躓かせる-----或る昔の偉い人

 甲子園で負けた高校野球チ-ムなら悔しくも清々しくていいじゃないですか。人生皆一生懸命やったからと言って皆が栄冠を掴む訳でもありません。栄冠には至らなくとも、そこに至る行いが伴えば記録より人々の記憶に残ります。表向きの栄冠よりも、実はこれが人の真価かも知れません。
 それにしても、他方もまた25年振りに人々の記憶を呼び覚ますとはどっちに転んでも大物かも知れません。
 我々も、我々のではなく、人々の記憶にどんなことばと行いを刻んでいることでしょう? 人生は人目を気にせず、自らの目的意識をしっかり見据えれば個性的な有意義な人生が歩めると筆者も思う方ですが、やはり、ことばと行いの調和に細心の注意を払わなければ、意外と無神経に無意識に人を躓かせていることも多いのかも知れません。

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