2008-01-21

302 総選挙賭博!? 22-01-2008(火)

 先週お知らせした様にスペインは3月9日の総選挙目指して選挙戦の真っ最中・・・だからこそのニュ-スは先週の土曜日。全くの五分と言われている現在与党の社会党(PSOE)と野党第一党の大衆党(PP)の一騎打ちはどちらが勝つかとのインタ-ネット選挙賭博が大人気だとか。日本ならこう言う社会現象は起こるまい。因みにスペインでは年末年始の2回のクリスマスドリ-ムジャンボ宝くじ以外にも(コルムナ298&299)、国営週間宝くじ、毎日抽選の盲人宝くじ、週二回の数字当てくじ、サッカ-トトカルチョなど、とにかく毎日何かの抽選があると言っていいほどギャンブル大国である。
 筆者はこれを聞いて真っ先に思い出したのが、もう10年以上前のことだが、タイに行ったある日本人の話。バンコク市内の喫茶店に入ったら、昼間からたむろしていた地元の若い連中がいきなり“日本人か、中国人か、韓国人か”と賭けが始まったとのこと。何じゃこりゃ!?
 ところで、モロッコに行くと分かるが、とにかく昼間から仕事もせず街に人がうじゃうじゃいるのは第三世界の共通項らしい。仕事もせんで何やって食っとるんじゃこいつ等と思うのは日本人的感覚で、当事者達はいかに働かずに楽をして生きるかが人生最大の関心事であり、真面目に仕事をしたら損だと心から確信しているフシがある。そうなると手の業より口の業の方が達つ嘘吐き名人となり(同260&265)、働きたくないので賭けに走ることになる。このタイ人達も何にでもチンケな金を賭け合ってその日の飲み代が出ればそれでいいと言う訳なのだ。
 飲み代が出ればそれでいいと言えば、もう30年も昔の話だが、イタリアに団体旅行で行ったある日本人の話を思い出す。もうどこの都市だったか覚えていないが、観光バスが着いたのにある屋台の親父が店終いの真っ最中。現地のガイドの説明に拠れば、今日はもう飲み代が出来たので帰るとのこと!? なるほど、こんな連中と一緒に戦争して日本もドイツも勝てなかった訳だ!?

 惰眠をむさぼる者はボロをまとう様になる-----或る昔の偉い人 

 当たればその人だけは金銭的に豊かになるかも知れませんが、賭けも株も宝くじも実際誰も何も生産していないのですから真の豊かさが生まれる訳がないのです。むしろ、多くの人は手を動かすことがおっくうになり、金があればギャンブルにはつぎ込むが企業を起こそうと言う発想さえないので何時まで経っても産業が起こらず、産業が起こらないので結局国が経済的に不安定になればなるほどますます公営バクチが増える悪循環が何世紀も前から続いているのが第三世界の第三世界たる正体だと言えます。
 一国の貴賎富貴は政治でも政治家でもなく国民の質だと言うことが良く分かる第三世界の一蓮托生方程式です。それはモロッコもタイも理屈は同じ。日本もスペインもそうならないことを祈りますが、目先の欲に捕らわれると口が上手くなるのはスペインの政治家も同じ様です。先週与党のアンダルシア地方大臣が『我が党が政権を取った暁にはアンダルシア人民総てにADSLを無料配布する』と公約!? 投票してもらいたいがための取って付けた様なインスタント公約に対し、野党党首は『無料プレゼントなら車の方がいいんじゃないのか』と皮肉たっぷりに反論!? 余りの程度の低さにスペインインタ-ネットユ-ザ-連盟(そんなもんがあるのか!?)がもっと具体的なインタ-ネット普及方法を考える様政府に要求するとの声明を発表!?
 誰も国民の質の向上が国の繁栄に直結しているとは露にも思っていない様子。いくら政治家が最高の政治をしようが国民が惰眠をむさぼればボロをまとう様になるぞと痛いところを衝く政治家も皆無です。もっとも、そんなことを口にすれば落選間違いなしでしょうからそれは分かりますが、それを家庭で子供の頃から教えてやれば社会は根底から変わって来るはずです。親がまともな人間ならの話ですが・・・。

0 件のコメント: